有機農業_草マルチ(刈り敷き)の多様な効果

田畑や土手などで刈った草を作物の株元や通路に敷く草マルチ。この単純な作業のなかには奥深い効能を秘められています。

もくじ

1、草の抑制

大量の草を上から敷くことで太陽光が届かないようにし、すでに生えている草やこれから生えてくる草を抑えます。

2、土壌の保湿

土の上を草で覆うので直射日光が土に当たらず、畑が乾くのを防いでくれます。

3、夏の暑さ、冬の寒さから守る

草を株元にたっぷり敷くことで、直射日光から作物の根を守ることができます。また、夏の厳しい直射日光が地温を過剰に上げるのを防いだり、冬の寒さや霜などで地温が下がり過ぎないようにする効果もあります。さらに、地温が安定することで、土の中の生き物が安定して暮らせる環境づくりにもつながります。

4、土壌生物の増加と保護

土の水分が保たれ、餌となる有機物(草など)が補給されるので、土の中で生きる生物(土壌生物)の数が増えて豊かになります。生き物が豊かになると、作物に害を与える生物を捕食する生き物も増えるため均衡が取れ、その結果、作物の病虫害をある程度防ぐこともできるようになります。

5、土を肥沃に

敷いた草が枯れると、土の生き物たちの活動により、土と接しているところから草が徐々に土に還っていきます。それがやがて次の作物が育つ養分を生み出すことにつながります。継続して草を土に還していくことで土が肥沃になり、次第に肥料をあまり入れなくても健康な作物が育つ畑になっていくのです。

6、雨の日の泥はね防止

雨が降った時、土がむき出しだとそこに雨水が当たって作物に跳ね返り、跳ね返った土に含まれる病原菌が病気を引き起こすことがあります。(健康に育てて入れば泥はねくらいで病気になることはあまりありませんが)

また、作物に土がつくと、特に葉野菜などは収穫後に洗わなければならなくなり、余計な手間が増えてしまいますが、草を敷くことでそれを防ぐことができます。

ただし、上記の効果が出るには、数年間継続してかなりの量の草を敷く必要があります。

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